伝統的工芸品 駿河雛とは…

 駿河雛人形のルーツは、桐塑(とうそ)と呼ばれる桐の木片を練り固めたもので作った煉天神(ねりてんじん)という説があります。静岡県志太郡大井川町上新田の青野嘉作が、祖父三右エ門の生まれ故郷である美濃国(今の岐阜県)青野ヶ原から土細工師を呼び寄せ、土人形を作り出したのが始まりとされています。天神とは、菅原道真を形どった人形のことで、当時天神は「雨降る神」として信仰され、その後、学問書道の神として信仰されるように変化していきました。
練り天神
 江戸時代末期には衣装を着せた天神(衣装着雛天神)が作成され、現存する最古のものは嘉栄6年(1853)のものがあり、これが「駿河雛人形」のルーツであるともいわれています。

 また、京風を好んだ今川家や、戦国を制した徳川家康公の厚い保護を受けて栄えた商業地である静岡(駿府・府中)には、江戸や京をはじめ全国から多くの職人や豪華な材料が集まり、駿河独自の衣装着雛天神の技術と混ざりあって、江戸雛や京雛に負けない高い完成度を持つ様々なデザインの雛人形が誕生しました。
天神

ひいなさん

 静岡県下では旧暦のひな祭り(現在では三月三日)に内裏雛と一緒に、男子の生まれた家では雛天神・五月人形等を飾る習慣があり、五月の端午の節句も兼ねる風習が残っています。このことは、「駿国雑志」(天保14年1843年編)に述べられており、駿河雛人形の持つ歴史の古さがわかります。このように、天神人形との関わりの中で育まれた静岡の雛人形は、「ひいなさん」と呼ばれ、愛されてきました。

その特徴

 駿河雛人形の大きな特徴としては、胴体部に太い藁胴が使われ、胴の部分のカーブに合わせて斜めに削り取られていることです。藁胴が使われた理由としては、静岡県中部地域で稲作が盛んで、稲藁が入手しやすかったからといわれています。
 また、人形の衣装の上下が別になっており、この点で上下一帯の京風雛人形と大きく異なっています。衣装が上下に分かれていることで、人形の衣装にボリューム感を持たせることができ、印象がより豪華になります。また分業による生産が可能となり、量産化に成功しました。こうして静岡は、人形の質の良さと生産力により、人形の胴体(胴柄)生産で全国の約7割を占めるまでになりました。
 雛人形の製作には、「振り付け」という、人形の両手を曲げる工程があります。この作業には職人の技術が集約されており、曲げの形から誰が振り付けたのかが判るほどで、衣装選びと並んで職人の個性が発揮されています。

伝統的工芸品に認定

 伝統的工芸品とは、昭和49年5月25日に公布された、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき経済産業大臣が指定するもので、そのためには次の5つの要件を満たすことが必要です。

●主として日常の生活に用いられるもの
●製造工程の主要部分が手工業的であること
●伝統的技術・技法により製作されるもの
 伝統性については、その製造技術・技法が100年以上の歴史を意味します。
●主として伝統的な原材料を使って製造されるもの
●一定の地域で産地形成しているもの
 10企業以上、または30人以上が製造に従事していること。


 このような厳しい選考条件を満たし、平成6年4月、駿河雛人形は「通商産業大臣(現経済産業大臣)指定伝統的工芸品」に認定されました。
 また同時に当店先代店主を含む十数名のベテラン技術者が、平成7年2月、「通商産業大臣(現経済産業大臣)認定伝統工芸士」に認定され、永年の功績と匠の技が国からも認められました。

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